老人と愛人

対立の一致

とはいえ、そんな呪いを個人に課すのかよ。

他人を好きになれるのにアイドルを好きになるなよ、という余りに終わりきった怨念が脳を駆け巡っていた。

 

とはいえ、そんな呪いを個人に課すのかよ。結局どうありたいかって話だと思うが、アイドルとの共犯関係について考えて落ち込んでいた。

まず、僕は未だに人間が歳をとるということが、イマイチ理解できていない。去年の年末、アイドルの誕生日付近の握手会に行き、なんか念仏みたいに、みんなが唱えているから、「おめでとう」と口にして「ありがとう」と言ってもらう一連の所作を行った。けれど、それがなんだかよくわからなかった。それが、生まれてきたことへの感謝か、歳をとったことのお祝いなのか、だとすると、そもそも家族とかそういう括りで物事を考えるのはだいぶ古いなぁ、とかをずっと考えたりしていた。

言い切るのは、危険だけど人間が年齢を重ねることを否定したくてたまらないのだろうな。ただ、美しいまま残らないのだろうか。なぜ人生は一つなのだろうか。とか他者への尊敬なんてまるでない思考で一杯になることがある。

で、話を戻すとそんな狂った価値観でアイドルを眼差すとき、彼女たちは一定程度それに応えようとする。そんな呪いを個人に課していいわけないし、もうそういう共犯はやめたい。だから、今のハロープロジェクトのメンバーの多くが、自分の意思で行動しているように見えるのは、本当に僥倖で、「アンジュルムック」を読んで普通に泣いてしまった。けれど、全部過去として清算できれば楽だろうけど、思ったよりも、単純ではなくてグラついたりする。そのアンビバレントさが楽しいのか?とか思う自分の感覚にビックリもする。

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